SIGMA 28-80mm F3.5-5.6 MACRO AF不良を分解修理

 ブックオフのジャンク箱に入っていたSIGMA ZOOM 28-80mm F3.5-5.6 MACRO (キヤノン用)が比較的キレイで光学系にカビ・クモリが無く正常に動作しそうに感じたので980円で購入しました。

帰宅してテストした結果は残念ながらAF動作不良でした。フォーカスモーター音はジージーするのですがフォーカスリングが回らず、内部で空回りしている様です。

インターネット情報ではAF機構のギア割れ修理記事がありました。このレンズもそれらしいので分解修理にチャレンジしてみます。

980円


↓レンズ後面の赤色印3か所のネジと接点部分を横から止めている青色印2か所のネジを取り、中央カバーを外します。
リア


↓中央のカバーが外れました。次にマウントを止めている赤色印4本のネジを取ります。
リア分解


↓マウントが外れました。シルバーの薄い金属スペーサーがありましたがそのまま外します。元に戻す場合にネジ穴と合う位置は一つに決まっているのでメモやマーキングは不要です。
リア分解2


↓次に赤色印3か所のネジを取って鏡胴後端部を外すのですが、AF/MFレバー部分が引っかかっているので構造を観察しながら外側にずらす様に外します。事前にAF機構部を止めているネジ2本を取っておいた方が良いと思います。
リア分解3


↓これで後側カバー類は全部外れました。気になったのはマウントを止めている4本のネジが思ったよりユルかった事です。これはネジ受けプラスチックが貧弱でネジ受け穴4か所ともにヒビ割れが発生していたためです。組み立てる前にヒビ割れ部分にゼリー状の瞬間接着剤を付けて肉盛り補強をしておきました。
リア分解4


↓次にAF機構部ユニットを外すのですが、事前に赤色印のフレキ半田付け(3か所)を取ります(半田作業が必要)。もう一つの赤色印のネジを取り回転検出センサーを外しておきます。そして青色印のネジ2本を取ります。AF機構


↓AF機構部ユニットを持ち上げるように外します。さらにAFモーターの赤/黒リード線が邪魔なのでモーターを止めている2本のネジを取り、AFモーターとゴムベルトを外しました。
AF機構2


↓赤色印のプラスチックギアにヒビが入って、割れているのが確認できました。これがAF不良の原因です。
AF機構3


↓赤色印のネジ3本と、青色印のEワッシャーを取りAF機構部の上下を分離します。
AF機構4


↓白いプラスチックギアの割れ目がはっきり確認できます。ここで空回りが発生していたのです。
ギア割れ


↓ギアは割れているので簡単に抜けます。対する金属軸にはギザギザが刻んでありました。ギアと軸が空回りしないように修理するのですが、何等かの方法で接着する以外に方法は無いと思います。
ギア割れ2


↓そこで、使い慣れたダイソーの3本組ヤスリとゼリー状瞬間接着剤(セメダイン3000ゴールド)を用意しました。
ヤスリ


↓このまま瞬間接着剤で接着してもギアの割れ目が閉じないので、丸いヤスリを使ってギアの軸穴を少し削って広げました。対する金属軸も少し平ヤスリで削りました。軸にギアを仮止めして、ギアの割れ目が閉じる事を確認しました。
ヤスリ2


↓ゼリー状瞬間接着剤を付けてギアを挿入し、洗濯ハサミのようなクリップでギアを締めるように圧力をかけながら接着剤が硬化するまで1晩放置しました。
接着


↓翌日になってクリップを外すと、このように固まっていました。割れ目のあった両方のギア山に黒色のマーキングをして分かりやすくしました。はみ出した接着剤をカッターナイフで落とし、両方のギア山の距離が離れていたのでギア山の外側を少し削りました。ギアと金属軸の接着強度は大丈夫と思っています。
AF機構部の上下を組み立て、手で回転テストした結果は問題なくスムーズに動作しました。
接着2


↓元通りに組み立てました。貧弱でヒビ割れのあった4本のマウントネジ受けは肉盛り補強してあります。
組み立て


↓Canon New EOS Kiss(フィルムカメラ)に取り付けてテストした結果は正常にAF機能が動作しました。EOS Kiss Digital XでもテストしAFの正常動作を確認しました。ただし、このレンズはEOS Digitalに非対応の世代であり、絞りが開放以外の場合はErr99になり撮影できません。絞り優先モードで開放F値を指定すれば撮影可能になります。
テスト


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