1989年頃発売のCanon EFマウント用レンズで「ε」はイプシロンと読みます。ほぼ無傷で金属ボディの塗装感が良く、光学系もクモリが無いので買いました。30%OFFセールで価格は70円でした。(お店さんゴメンナサイ)
フィルム一眼レフNew EOS Kissに付けてテストした結果、エラーは出ずにAFとシャッターの動作確認は出来ました。
何度もテストしてみると絞り動作が変なのに気付きました。ファインダーを覗いている時は、絞り開放で明るいはずなのに絞りが閉じていて暗い時があるのです。
↓分解しましょう。
外装フロントカバーは3本のネジを取ると外れます。次に距離目盛リングにある2本の黒い皿ネジを取りフォーカスエンコーダー接点ブラシ(熊手のような金属パーツ)を外します。そしてリングを引き抜くと外れます。
↓前玉は反時計方向に回すと簡単に抜けて外れますが!!元に戻すのがエライ大変で、時計方向に入れようとしてもヘリコイドの切削精度が高いためか絶対に?入りません。多条ネジの入り口を数えたら14か所もありました。30分くらい苦闘して奇跡的に元通りに戻りましたが、後でネットを調べてみたら誰でも苦労する不可能に近い作業らしいです。
↓本体側に6枚羽根の絞りユニットが見えます。左下の回転軸を回すと問題なくスムーズに羽根が開閉しました。
↓AFギアとズームエンコーダーの接点ブラシが見えます。
↓前玉レンズ裏側に肉眼では気付かない小さなゴミから発育したカビが見つかりました。カビに「ハー」と息をかけメガネ拭きクロスでクリーニング出来ました。
・・・結局、前玉側には絞り故障の原因は見つからなかったので元通りに組み立てました。
↓次にリア側の全ネジ9本を取ってマウント金具を外しました。右側がフォーカスモーターで左側が絞りモーターです。
後玉は反時計方向に強く回すと外れます。
↓隙間からルーペで見ると、絞りユニットに繋がっているフレキケーブルが折れて切れかかってました。これが原因だった事は解ったのですが、可動するフレキの修理は無理なためここで一旦諦めました。・・・が僕は考えました。
↓絞りの開閉動作が出来ないのであれば「意地」?で固定化してみます。開放の状態で、白いギアの下にクッション付き両面テープを挟み、絞りモーターのオレンジ色4Pコネクターを抜きました。これで絞り開放のままロックされます。
↓カメラ側のモードダイヤルを「絞り優先モード(Av)」にし、開放F値(3.5)を指定すれば正しい露出で撮影できます。晴天時は露出オーバーで困るシーンもありますが、曇天時や室内撮影の用途には使える美しい「¥70意地」レンズです。