PanasonicラジオR-1105を分解修理

 ハードオフで巡り合った、単3電池2本で動作する赤色のポータブルAMラジオです。発売日を調べてみたが不明でした。
電池(エネループ)を入れ、本体とイヤホンの動作確認したところ普通にラジオを聴くことができました。気になった点は選局ツマミを回すと時々「ザザッ」と音が出ます。受信は可能なのですが、内部点検と清掃のため分解します。

表面



↓表と裏のキャビネット間を結合しているネジは無く、写真の青色枠6か所のツメで嚙み合わせているだけの構造です。
底と横の4か所ツメ部分の裏キャビネットを内側に押し込む様にしながらゆっくり外し、上のツメは最後に外します。

各部を点検してみるとスピーカーがガタついており、表キャビネットと接着してあるボンドが剥がれてました。
修理方法はボンド付けせずに、写真の緑色枠にクッション付き両面テープを2mmの厚さで貼り、裏キャビネットを閉めた時にスピーカーマグネットを押さえて固定する様にしました。
裏キャビネット外し



↓ツメ1か所を外して基板を開きました。元に戻すにはチューニングツマミの長穴に白い指針の凸部が入る様にします。
それと、バリコンを固定している2個のネジが長期間の使用による負荷で緩みが発生しており、締め付け直しました。
バリコンの「ザザッ」音はこのネジの緩みと無関係と思いますが、組み立て後に確認してみます。
バリコン



↓音量ボリュームのツマミと半透明の丸いプレートを外しました。3JA A50Kと表記あり、抵抗値は50KΩと思われます。
予想外に「ガリ」音の発生は無かったのですが接点復活剤(KURE 5-56)を塗布しておきました。
ボリューム



↓さらに点検してみると、電池の+端子部のプラスチックに割れた欠損部があり、端子板にグラツキがありました。欠損した赤いプラスチック破片は見つからないので、透明エポキシボンドを盛り付ける様にして+端子版を固定しました。
電池端子


以上で清掃と簡単な修理作業が終了し、最後に裏キャビネットをパチンと閉めて電池を入れ、動作テストした結果は残念ながら、バリコンを回した時の「ザザッ」音は直ってませんでした。選局と受信は出来るので、このまま使います。


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2024/04/16追記

↓後日に再びラジオを分解し、基板からポリバリコンを取り外しました。透明カバーにはTWD INCの文字があります。バリコン1



↓六角ナット2個をラジオペンチで回して取ると分解することが出来ました。矢印がローター軸凸とステーター凹でアースの電極を兼ねており、選局ツマミを回転させた時に接触不良が起き「ザザッ」音が発生していたと予想されます。バリコン2



↓横から見たポリバリコン内部です。AMだけなので簡素な構造です。バリコン3


電極のローター軸凸とステーター凹をアルコールでクリーニングしてから「KURE 5-56」を一滴塗布しました。組み立てて受信テストした結果は「ザザッ」音の発生が完全に無くなって、選局操作がとても快適になりました。

修理完了後に思ったのですが、半田コテを使って基板からポリバリコンを外さなくても、透明カバーだけを取って中央にあるステータス電極の穴に「KURE 5-56」を一滴垂らすだけで「ザザッ」音は直った事も考えられます。

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