SONYラジオICF-P20を分解修理

古い2000年発売の、単3電池2本を使用するポータブルFM/AMラジオです。発売当時はテレビのアナログ放送があった時代で、テレビの1~3チャンネル音声を聴く事が出来ました。縦型で、片手で掴みやすい反面、コケやすいです。

ロッドアンテナの曲がりは無し、選曲&音量ツマミのギザの減りも無く、FM/AM受信も正常にできました。音量ツマミを回すと「ガリガリ」音がする、いわゆる昔の人曰く「ガリオーム」なので、分解して修理を試みる事にします。

ICF-P20表



↓電池室のネジ1本を取って下方から裏キャビネットを開きます。
ICF-P20裏



↓かなり固くて苦労しましたが、裏キャビネットに基板が付いた状態で外れました。
分解



↓表キャビネット中間の左右にあるツメが破損しましたが、上部のツメ(2か所)と電池室のネジで止めるだけでこの左右のツメは無視しても強度的には問題ありません。
ツメ折れ



↓基板はツメ2か所を外し、電池バネの固定を外し、イヤホンジャック側から起こすと外れます。
基板



↓ネジを取って音量ツマミを外すと可変抵抗器が現れます。白いプレートにはF C50Kと刻印されてました。たぶんCカーブ50KΩの意味と思われます。ハンダを外し、両端子をテスターで実測しても50KΩでした。
可変抵抗器



↓KURE5-56とHOZANのZ-295接点復活剤を準備しました。以前KURE5-56の公式Webページに接点復活作用が有ると掲載されていたので今回はKURE5-56を使う事にしました。
最近になってのカメラのタクトスイッチとスライドスイッチの修理経験上、Z-295よりKURE5-56の方が効果&耐久性が有る・・という感じを持ってます。
KURE 5-56



↓可変抵抗器の白いプレートを外しKURE5-56をスプレーして、ツマミをクルクル回すと「ガリオーム」は直りました。
しかし、ツマミの回転角に合わせて音量がスムーズに可変せず、急激に「微小」→「中」の大きな音に変わります。
静かな場所でラジオを聴く時はちょっとビックリする事があります。
スプレー



↓細かい音量調整が出来にくいので回路をイジります。可変抵抗器の摺動子にあたる中間端子からIC(CXA1019S)の5ピンに繋がっている抵抗「R3」(上の写真)の抵抗値を変更して、ツマミ角度と音量がどのように変化するか試しました。

元の抵抗値「1KΩ(102)」を「4.7KΩ(472)」と「10KΩ(103)」に交換してみました。「4.7KΩ」ではほとんど変化が無く「10KΩ」で良い効果を得ました。

今までと違い、音量に対する可変抵抗器の摺動子の角度が移動して音量がスムーズに変化し使い勝手が良くなりました。
抵抗3種類



↓取り付けたチップ抵抗「10KΩ(103)」は不要のデスクトップPC用USBボードから外した部品を流用し、サイズは1.6mm×0.8mmでした。
R3


このICF-P20の後継機種は2009年発売のICF-P21ですが、ほぼ同じラジオなので分解修理方法は同様と思われます。

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