シグマ100-300mm F4.5-6.7 DLの分解方法

これからも使用する事のないミノルタAマウント望遠ズームレンズを勉強用に分解・組み立て作業をしました。レンズ構成は4ユニットに分かれてました。①前玉、②中玉(前)、③中玉(後)、④後玉です。
一般的に想定されるメンテナンスとクリーニング作業は①、③、④を外すとほとんど可能になる事が分かりました。
この記事ではレンズ構造のほぼ最深に位置する③を外すまでの作業工程を書きます。

それ以外の分解も構造を理解しないまま行いましたが、参考になりそうなシーンは「補足編」として後半に載せました。

外観



↓両面テープで接着してあるリング状ネームプレートを剥がし、4か所矢印の凹にカニ目レンチを挿して反時計方向にグルグル回すと前玉が外れます。
前玉表



↓外した前玉はレンズ2枚構成になってます。
前玉裏



↓前玉を外した鏡胴側に金色のスペーサーが1枚入ってました。逆さにするとポロっと落ちます。鏡胴内にホコリ混入防止の目的でフィルター(55Φ MC PROTECTOR)を付けておきました。
スペーサー



↓次は、リアマウント側を外します。見えている全てのネジ9本を取ると、ここまで分解できました。
リア1



↓マウント面の前にあるリングは3本のネジを取って外しました。さらに緑色のズームエンコーダー基板と、その下面のネジ3本を取って鏡胴が前後に4mmほど動く事を確認します。赤色枠の後玉ユニットは反時計方向に回すと外れましたが、外さなくても良いです。
リア2



↓後玉ユニットの前側にあるリングは2か所の凹にピンセットを挿して反時計方向に回すと外れました。中のレンズは、はめ込んであると思われますが簡単に外れないのでリングを元に取り付けました。
後玉



↓次は、鏡胴の分解です。ズームリングの黒色ゴムを外し、リングを回して穴に見えるネジと金色のカラーを取ります。
鏡胴1



↓黒い鏡胴を前方向に引き抜くだけで、あっけなくスポッと外れました。
鏡胴2



↓外れた鏡胴の様子です。
鏡胴3



↓フォーカス鏡胴は抜き取らずこのままで、ズームをこの位置にして緑色枠のネジと黒色カラーを円周上3か所取ります。黒色カラーはなかなか抜けないので、細いマイナス時計ドライバーを使って持ち上げるように外しました。
鏡胴4



↓③中玉(後)がこの様に外れました。②中玉(前)は鏡胴内に残ってますが外さなくても良いです。
中玉1



↓ネジとカラーを取り、前側にあるリングを反時計方向に回して外し、この様に分解しました。レンズは2枚構成と思われます。後側は絞りユニットで、レバーを円周方向に動かすと絞りが開閉します。
中玉2



↓絞り羽根は8枚でした。この先は分解してません。
絞り


ここまでが絞りユニットまでの分解手順でした。元に組み立てるには逆手順で何とか出来ました。


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ここからが「補足編」です。何等かの参考になると思います。


「補足編」前玉を回すカニ目レンチは持っていないので、木片にクギを打ってヤスリで加工し自作しました。
木片



「補足編」リア側です。後玉の上にある黒い四角パーツは絞りレバーで、円周方向に動かすと絞り羽根が開閉します。
リア3



「補足編」フォーカス鏡胴を反時計方向に回して抜き取りましたが、元の位置を正しくマーキングしなかったので組み立て時に苦労しました。普通は外さないほうが無難と思われます。
フォーカスリング



「補足編」フォーカス鏡胴を回して抜き取ったあとの本体側鏡胴です。
ヘリコイド1



「補足編」3か所のネジと金色カラーを取って、アルミ鏡胴からフォーカスヘリコイド鏡胴も外してみました。
ヘリコイド2



「補足編」奥はアルミ鏡胴内に残っている②中玉(前)です。ここからレンズ面をクリーニング出来ます。③中玉(後)を元通りに組み込む時は、緑色マークと③中玉(後)の絞りレバー位置が一致する様に合わせます。
中玉(前)



「補足編」アルミ鏡胴の構造です。緑色枠のネジとカラー3か所は③中玉(後)、青色枠は②中玉(前)、赤色枠はアルミ鏡胴自体を支えています。
アルミ鏡胴



「補足編」ズームリングゴムの下に隠れているフタをめくるとズームエンコーダーの接点ブラシが見えました。
ブラシ



「補足編」前玉裏側のプラスチック部分を削ってマイナスドライバーでひねり起こすと後側のレンズを外す事が出来ました。元通りに戻すにはレンズをはめ込んでから、削り取った所にエポキシボンドを盛り付けました。
前玉分解



「補足編」前玉ユニットだけでルーペとして使えました。2~3倍率で周辺歪みの無いキレイな映像が得られます。
ルーペ


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